「看護がなすべきこと、それは自然が患者に働きかけるに最も良い状態に患者を置くことである。」(※1)
「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさなどを適切に整え、これらを活かして用いること、また食事内容を適切に選択し適切に与えることー。こういったことのすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである。」(※2)
「すべての病気は、その経過のどの時期をとっても、程度の差こそあれ、その性質は回復過程(reparative process)であって、必ずしも苦痛を伴うものではない。つまり病気とは、毒されたり(poisoning)衰えたり(decay)する過程を癒そうとする自然の努力の現れであり、それは何週間も何ヵ月も、時には何年も前から気づかれずに始まっていて、このように進んできた以前からの過程の、そのときどきの結果として現れたのが病気という現象なのである。」(※3)
「病気とは何か?病気は健康を妨げている条件を除去しようとする自然の働きである。それは癒そうとする自然の試みである。われわれはその自然の試みを援助しなければならない。」(※4)
「健康とは何か?健康とは良い状態をさすだけでなく、われわれが持てる力を充分に活用できている状態をさす。」(※5)
ナイチンゲール看護思想を基盤とし、看護と介護を統合した思想体系を持つ看護・介護原論です。
「KOMI」とは、「KOMIケア理論」を構築した金井一薫先生の名前にちなんで、「Kanai Original Modern Instrument」の頭文字を取って付けられた呼称です。
「KOMIケア理論」は実践理論です。現在ケア大国になったわが国においては、多職種が連携してケアを行う上で、「KOMIケア理論」の存在は、ケアの視点を共有する基盤として大きな意味を持ちます。そして、「KOMIケア理論」をケア現場で実践するための記録様式として、2004年に「KOMIケア記録システム」が開発されました。